奨学金とは?

奨学金には貸与型と給付型がある

奨学金とはどんな制度?

奨学金は、勉強する意欲と能力はあるのに、家庭の経済的理由で進学をあきらめなくてはいけない学生に学業に必要なお金を貸与または給付する制度です。
奨学金を受け取ることができるのは、大学(学部)への進学だけではありません。大学院、短大、高専、専修学校(専門課程)でも受け取ることができます。2015年は約134万人が奨学金を受け取って大学などに通っています。
日本の奨学金の9割近くは、国の独立行政法人日本学生支援機構の貸与型(返済義務あり)奨学金です。日本学生支援機構の貸与型奨学金には、無利息の第一種奨学金と有利息の第二種奨学金があります。第一種と第二種奨学金には、利息の有無の他に、採用基準や貸与金額の違いがあります。第一種奨学金と第二種奨学金の割合は1:25とも言われており、無利息の奨学金を受け取るのはかなり厳しいのが現状です。ちなみに返還された奨学金は、後輩奨学生の奨学金として使われます。
民間団体の奨学金には、返済する必要のない給付型もあります。給付型の奨学金は、特定の分野で特に優れている人が対象なことが多く、採用人数も限られています。
詳しくは、民間団体の奨学金リスト(http://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_j/scholarships/__icsFiles/afieldfile/2016/03/29/scholarshipsj_private_1.pdf)を見てくださいね。

メリットとデメリット

奨学金を借りるうえでのメリットデメリットって?

奨学金の最大のメリットは、勉強する意欲はあるのに、親などから経済的援助を受けることができない学生が、進学をあきらめなくても良いところです。銀行などのローンに比べると利息が低いのも良いところです。優秀な学生ほど、給付型や無利息の奨学金に採用される可能性が高くなります。意欲のある優れた学生に優しい制度ですね。そして、奨学金を受け取ることで、無理なアルバイトをせずに、学業に集中できるというメリットもあります
もちろん、奨学金にはデメリットもあります。貸与型の奨学金は借金です。貸与額によっては、大学卒業後に月数万円ずつの支払いを20年続けることになります。40歳を過ぎても、学生時代の借金を返済しているわけです。奨学金の返済を理由に、結婚に踏み切れない人もいるようです。また、大学を卒業しても、安定した給料がもらえる職に保証はありません。卒業後に一定の収入を得ることができなければ、奨学金が返済できなくなってしまうこともあるのです。
メリットも大きいですが、デメリットを考えると、軽い気持ちで奨学金の貸与を受けることはできませんよね。申請前に、進路や返済のことをじっくり考えてみましょう

奨学金の申し込み申請方法

奨学金を申請するため方法とは

奨学金の申請方法には、予約採用、在学採用、緊急採用、応急採用があります
予約採用は、高校在学中や高校卒業から2年以内(2浪まで)など進学が決定する前に奨学金の申請をする制度です。高校3年生は、在学中の高校へ申し込みをします(予約採用の流れは、http://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/yoyaku/flow.htmlで確認できます)。在学採用は、大学などへ進学してから奨学金を申請する制度です(在学採用の流れは、http://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/zaigaku/flow.htmlで確認できます)。どちらも申し込み時期が決まっているので、早めに学校の奨学金担当者へ問い合わせをしておきましょう。緊急採用と応急採用は、進学後に事故、病気、災害などで、突然、家庭の経済状況が変わってしまったときの申請方法です。
奨学金申請の際には、奨学金の種類と金額、入学時特別貸与奨学金の有無、保証制度、利率の算定方式(第二種奨学金)を決めておく必要があります
第一種奨学金の申し込みは、高校の平均評定3.5以上が選考基準にあるので、平均評定が3.5未満の人は、第二種奨学金にのみ申請可能です。また、第一種、第二種奨学金とも家庭の収入が、日本学生支援機構が決めた家計基準を下回る場合に申請ができます。第一種と第二種奨学金は、併用することもできます。日本学生支援機構のホームページで貸与額と返済額のシミュレーション
http://simulation.sas.jasso.go.jp/simulation/simulationInput2_open.action)ができるので、貸与金額を決めるときに利用してみましょう。
入学時特別貸与奨学金は、奨学金の初回振り込み時に、月払いの奨学金に追加して一定額を受け取ることができる制度です。奨学金申請のときに申し込みをして、後からキャンセルすることはできます。けれども、奨学金申請後に、入学時特別貸与奨学金だけを申し込みすることはできません。
奨学金は無担保ですが、保証制度を選ばなくてはいけません人的保証の場合は、父または母が連帯保証人、連帯保証人以外の4親等以内の成人親族が保証人になることができます。機関保証は、一定の保証料を日本国際教育支援協会に毎月の奨学金から支払うことで、返済ができなくなったときに、一時的に返済の肩代わりをしてもらうことができる制度です。
第二種奨学金を申請する場合は、利率の算定方法(利率固定方式または利率見直し方式)を選ばなくてはいけません。(http://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/riritsu/index.html

奨学金を無駄にしない為に

日本学生支援機構は、奨学生が奨学金を何に使ったかをチェックしません。ですから、奨学金を学業に全く関係ないことに使ってしまうこともできるわけです。けれども、無駄使いをしないで、本当に必要な分だけを借りるようにしましょう