返済しないとどうなるの?

奨学金を返済しないと・・

奨学金はローン・借金と同じ

奨学金は借金・ローンと同じもの

貸与型の奨学金は、ローンや借金と同じ「借りたお金」なので返さなくてはいけません。奨学金の返済は、貸与終了の翌月から数えて6か月後に始まります。3月に大学を卒業すると、その年の10月から支払いが始まるというわけです。毎月、決められた日に、月賦金額が口座から引き落とされれば、何の問題もありません。けれども、奨学金の返済は、銀行ローンの返済と同じで、支払いが遅れたり、滞ったりすれば延滞金が加算され、返済の督促もされます
では、実際に奨学金を返済しないとどうなるのかを見ていきましょう。口座残高不足で月賦金額が口座から引き落とされなかったとします。初めての場合は、日本学生支援機構から「振替不能通知」を受け取ります。そして、翌月の振替日に2月分まとめて引き落としされることになります。振替不能が2回から3回続くと、月賦金額に年利5%のペナルティーが上乗せされます
また、3か月の延滞で、個人情報登録機関に奨学金の返済を滞納しているという情報が登録されます。個人情報登録機関に登録されると、クレジットカードが使えなくなる、住宅ローンが組めなくなるなどの問題が起こります。名前が登録されてしまうと、奨学金の返済をしても、5年間は名前が登録されたままです。
そして、振替不能が4回続くと、口座振替が停止されて、債権回収の専門会社から督促がきます。勤務先への電話や自宅への取立てもあります。まるで、ドラマの借金取立てのシーンのようになってしまうのです。
さらに長期間にわたって返済ができないと、奨学金の元金、利息、延滞金が一括請求され、裁判所に支払督促を求めることを予告されます。それでも、返済をしないと法的措置の開始です。日本学生支援機構が、裁判所へ支払督促申立をします。最終的には、強制執行によって、給与などの財産が差し押さえられる場合もあるのです。

保証人に返済申請が

返さないと保証人に迷惑が…

人的保証の場合、奨学金の支払いが2回から3回滞った場合には、連帯保証人と保証人にも督励状が届きます。4回目以降は、本人と同じように連帯保証人と保証人も、債権回収会社から返済の督促をされます。法的措置になると、連帯保証人や保証人も強制執行によって、財産を差し押さえられることも最悪の場合あります
親や親族の多くは、本人が働いて奨学金を返済するからと安心して連帯保証人や保証人になっています。そして、家計に余裕があれば奨学金を貸与していなかったわけで、連帯保証人や保証人も本人の代わりに数百万円の奨学金を返済するのは、経済的に難しいことが多いのです。
機関保証を申請した人が、一括返還請求をされても返済しなかった場合、日本学生支援機構は保証機関である日本国際教育支援協会へ代位弁済請求をします。代位弁済請求された日本国際教育支援協会は、本人の代わりに奨学金の元金、利息、延滞金をすべて支払います。機関保証の場合、奨学金を受け取っているときに、毎月保証料を支払っています。けれども、保証機関が一括返済をしてくれたからといって、奨学金の返済がなくなったわけではありません。日本国際教育支援協会から、代位弁済額の一括請求をされます。返済ができなかった場合は、最終的には法的処置によって、財産が差し押さえられることもあるのです。
奨学金が無利息または低利息でも、返済できなければ他の借金と同じ結果になるということですね。

奨学金で自己破産・自殺といったケースも

奨学金で苦しまないように

近年、奨学金が返済できずに自己破産をする人が増えています。自己破産をすれば、本人は支払いから逃れることができます。けれども、支払えなかった金額は、連帯保証人である親などが返済することになります。一括請求をされてからの自己破産であれば、連帯保証人も全額を一括で返済しなくてはいけないのです。もし、連帯保証人も自己破産した場合は、保証人が返済することになります。
さらに、奨学金の返済ができないことを理由に自殺してしまう若者も少なからずいるようです。貸与した奨学金は、本人が病気、事故、自殺などで死亡した場合、支払免除になります。けれども、連帯保証人や保証人の支払い義務が続く場合があります。機関保証を選択している場合は、保証機関が支払いをしますが、相続人が保証機関から返還請求をされます。連帯保証人と相続人は、日本学生支援機構に奨学金返還免除願を提出して、支払い能力がないと判断されれば奨学金の返還の一部または全額が免除になる場合もあります。詳しくは、(http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/menjo/ippan_menjyo.html)を確認してくださいね。

奨学金は怖くない

将来を考えれば奨学金は怖くない

奨学金を返済ができない人が増えているというメディアからの情報で、「奨学金=借金地獄」という印象を受けている人もいるかもしれません。けれども、実際に奨学金の返済が滞ってしまっている人は、全体の3%弱です。最低限の金額だけを貸与し、節約するなどして自己管理をしっかりすれば、奨学金の返済は怖くないはずです。