実は借金?日本の奨学金制度
日本で最も利用されている日本学生支援機構の奨学金は第一種、第二種共に貸与型です。卒業後には全額(利子も含めて)返還が求められます。
一方、欧米では、奨学金は優秀な学生を対象とする給付型で、返還義務は一切ありません。
奨学金のことを英語で「scholarship(スカラシップ)」と言いますが、欧米人から見ると、返還義務のある日本の奨学金は「loan(ローン)」であり、「スカラシップ」とは呼べないものだそうです。「ローン」とは、つまり借金。
貸与型の奨学金は借金に他なりません。申込みに保証人が必要なのは、奨学金が借金だからです。
返済義務があることを知らなかった!?
奨学金の貸与を申し込むとき、ほとんどの学生はまだ10代です。奨学金のしくみをよく理解しないまま支給を受けている学生は少なくありません。中には、返さなければいけないとは知らなかった、請求がきて驚いた、という学生もいるようです。
また、非正規雇用が増加し続ける現在の日本社会では、大学を卒業したからといって、必ずしも安定した職業に就けるという保証はありません。卒業後、思ったような収入を得られず、奨学金を返せないという若者の急増が、大きな社会問題となっています。
借金という認識が薄い奨学金
奨学金の申込には、保証人こそ必要になりますが、審査はゆるやかで、経済状態が悪い人ほど貸与を受けやすくなるなど、銀行のローンとは異なる側面があります。
金利も低く、社会的に認知されている制度なので、奨学金の貸与を受けても、借金をしているという意識が低くなるようです。
が、返済が滞ると、早く返すようにという督促がくることは、銀行のローンと何ら変わりはありません。
返済が難しくなったら
卒業後、予定通りに奨学金を返済していくことが難しくなった、という場合は、速やかに日本学生支援機構に問い合わせましょう。
奨学金には、返還が難しくなった場合の救済制度があります。
返さないまま放置していると、通常の借金同様、裁判所からの差し押さえが執行されるという事態も起こりえます。
きちんと手続きすることで、状況によって、毎月の返済額を減らす、一定期間返済を待ってもらえる、などが可能で、この点では奨学金は通常の借金とは異なります。
※返還が難しいとき
(日本学生支援機構)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/index.html/
給付型の奨学金
貸与型の奨学金は、借金ではありますが、学生を支援するという目的には変わりはありません。
奨学金のしくみをきちんと把握して、賢く利用していきたいものです。
また、奨学金の支給を行っている団体は、日本学生支援機構だけではありません。審査は厳しくなりますが、スカラシップと呼べる給付型の奨学金もあります。また、授業料を免除するという形で、学生を支援している学校もたくさんあります。
奨学金の申請を検討する際は、まず情報収集することが大切です。
※給付型奨学金については、こちらに詳しく記載しております。
奨学金返済まとめ.com/良いことづくめの給付型奨学金って知ってる?