奨学金を受けるためには、保証人が必要
奨学金の貸与を受ける場合は、支払えなくなったときの保証が必要となります。
日本学生支援機構の場合、2種類の保証制度があり、どちらかを選択することになります。
人的保証制度
奨学金の返済について、親族または後見人2人に依頼し、連帯保証人と保証人を引き受けてもらう制度です。
「連帯保証人」は、奨学生が未成年の場合は、その親権者(親権者がいない場合は未成年後見人)で、原則として学生の「父母」です。奨学生本人と連帯して返済責任を負います。
「保証人」は、連帯保証人とは別生計の親族(4親等以内)で、原則として「おじ・おば・兄弟姉妹等」に依頼します。
奨学生本人と連帯保証人が返済できなくなった時には、保証人が返済義務を負うことになります。
※連帯保証人と保証人の該当条件詳細
(日本学生支援機構)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/houhou/hosho_sentaku/jinteki_hosho.html
機関保証制度
保証人が見つからない場合、保証料を支払うことによって、保証人がいなくても奨学金を借りることができる制度です。
保証料は毎月の奨学金から差し引かれます。つまり、機関保証制度を利用して月3万円の奨学金を受けた場合、毎月支給される金額は3万円満額ではなく、「3万円-月額保証料」になります。
保証料の金額は、奨学金の金額や期間などによって変わってきます。
※平成28年度の保証料
(日本学生支援機構)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/hosho/kikan/hoshoryo.html#heisei27hoshouryo
保証人にも返済義務が発生する?
奨学金の返済は、
「学生本人」→「連帯保証人」→「保証人」の順で責任を負います。
もし、奨学生が奨学金を返せなくなり、返済が滞ったような場合は、連帯保証人である保護者に返済が求められます。
連帯保証人も返済できなかった場合は、保証人に請求がいきます。
連帯保証人と保証人の違い
連帯保証人
連帯保証人は、貸主(債権者)に対して奨学生と同等の立場となります。貸主から「奨学金を返してください」と請求されれば、断ることができません。
万一、本人が自己破産を申請するなどの事態に陥った場合は、連帯保証人が、本人に代わって奨学金の返済責任を負うことになります。
保証人
保証人には、「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」があり、連帯保証人と比べると、いくらかは責任が軽くなります。
奨学生本人と連帯保証人のどちらも返済できなくなった場合は、保証人のところへ請求がいきますが、保証人は「本人と連帯保証人にきちんと請求してください」と拒む権利があります。(催告の抗弁権)
それでも返済されず、再度請求がきた場合は、「本人や連帯保証人の財産を差し押さえてください」と拒むことができます。(検索の抗弁権)
そうはいっても、保証人である以上、返済責任の一端を担っていることに変わりはありませんし、奨学生本人、連帯保証人が破産しても、奨学金の返済義務は簡単には消えません。保証人を引き受ける場合は、奨学生やその父母との信頼関係が必要です。