給付型奨学金っていったいなに?
教育にかかる費用の割合は、住宅にかかる費用や老後にかかる費用と同程度とも言われていて、生涯においても大きな割合を占めています。特に、大学への進学は高校とは比べものにもならないくらいの金額になりますし、近年では国公立・私立の学費の値上がりもあって、自分にかかる負担は以前に比べても重くなっています。
その為に、大学に行きたい人は進学の時にバイト代や親からの援助と合わせて奨学金や学生ローンを利用して学費の負担を少しでも軽くしますが、日本で一番利用されている奨学金制度の日本学生支援機構からの奨学金を受ける際は貸与型となっており、卒業をして社会人になってからも10年以上も返済をしなければなりません。
ですが、卒業後も返さなくてもいい給付型奨学金というものがあります。この奨学金を受けることができれば、卒業後の返済が不要になるのでとても魅力的です。さらに、これを2つ3つ組み合わせれば、学費のほとんどを奨学金で賄えることもできます。それでは、給付型奨学金はどんなものがあるかを述べていきましょう。
給付型奨学金はどこで貰える?
給付型奨学金を行っているところは、主に地方の自治体や企業・民間団体、さらには大学でも行われています。給付される条件はそれぞれですが、併用ができるもの、できないものもあるのでそれぞれ注意深く確認していきましょう。
地方の自治体で行っている給付型奨学金制度
都道府県の各地方自治体で行っているもので、受け取れる額は他の奨学金制度と比べると1万円~2万円程度少額なものが多く、併用ができない場合が多いですが、給付型奨学金として返済の必要なく貰うことができます。
地域によっては給付型自体行っていないこともありますが、そのような場合もほとんどの自治体では無利子で貸与して貰えるので、他の奨学金制度で同程度の金額を利用する場合なら、断然こちらを利用する方が負担は軽く済みます。
企業や民間の団体が行っている給付型奨学金制度
企業や育英会など学生を支援する民間団体が行っている奨学金制度では、貸与型と給付型それぞれありますが、給付型になれば学業の成績と合わせて面接も行われ、将来像や品行方正であるなど人としても評価されます。
給付額が他のものと比べると高く、大学入学後も取得できるチャンスがあるので、受かることができれば大学生活に大きな援助になるはずです。
その他、全国の新聞社が行っている制度で新聞奨学金というものもあり、新聞配達員として働きながら、奨学金に加えて給与も貰える制度もあります。
大学独自で行っている給付型奨学金制度
大学内で学業、スポーツで優秀な成績を収めている人、震災や貧困等で家庭状況が苦しいと言った人を大学から奨学金を貰えたり、入学金や授業料といった大学在学中にかかる費用を負担してもらえたりします。私立の大学ではほとんどの学校で実施されており、大学のパンフレットやホームページにその詳細が記載されています。給付型奨学金で有名なのが早稲田大学の「めざせ!都の西北奨学金」や神奈川大学「給費制試験」などがあります。学校によって取得難度が変わってきますが、入学後でも取得できるチャンスがあるので、それを励みに勉強を頑張っている方もいらしゃいます。
良いことづくめなのに給付型奨学金がほとんど利用されていない現状
お金を返す必要もなく、一定期間お金を貰える給付型奨学金だったら、多くの人が利用していても良い話ですが、実際に給付型奨学金を利用している方は10%以下。つまりほとんどの方は、貸与型の奨学金を利用しているのです。ちなみに世界で最も奨学金制度が優れていると言われるアメリカでは、奨学金を受ける学生のほとんどが給付型で貰っています。
給付型奨学金をを貰える人がとても少ない
なぜ貰える人が少ないというと、給付型は取得条件がすごく厳しいからです。まず、世帯収入(親の収入)が一定以下であることや本人の学力やスポーツでの成績が優秀でないといけません。特に、学力に関しては入試や大学でトップ並みの成績を収めないといけない場合が多く、ほとんど対象から外れてしまうのです。入学後でも取得できるものは多いですが、その頃にはバイトや事前に受けている奨学金制度で賄う人がほとんどになってしまい、利用しようとする人はさらに減ってしまいます。
給付型奨学金を貰えても頑張らないといけない
給付型奨学金を貰えたとしても、その半分以上は1年ごとに継続の審査が行われます。テストや各学科の成績で上位でないといけないですし、進級前に奨学金を受けるための試験や面接があったりと継続的な努力が必要です。
ちなみに、給付型奨学金制度では大学を留年してしまうと奨学金を貰えなくなってしまうこともありますので、その点は注意しなければありません。
チャンスがあるならぜひ給付型奨学金を!
手に入れるには難易度の高い給付型奨学金ですが、もし受けることができれば、大学生活をより快適にできるとともに将来にも大きく響くことにもなります。給付型奨学金が将来の就職活動にも役立ちますし、結婚にも大きく影響していくということもあったります。
もし、学業に自信がない方でも新聞奨学生や一部の自治体が行っていうもので給付型奨学金を手にすることができますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?